昨日と同じ自分は存在しない
2023/10/26
毎日変化している
私たち人は、毎日変化しています。
それは朝が来たら、昨日とは違う新しい日が始まるのと同じように、自然なことでもあります。
どれだけ同じような日々が続いているように見えても、昨日と全く同じ今日をループしているわけではありません。
おかれる環境やタイミングが変われば、私達の思考や感情や行動も変化して当然です。
ここで一つ言葉遊びをしてみます。
朝という漢字は、十月十日と分解することが出来ますね。
十月十日とは、およそ人が母親の胎内から産まれ出るまでの期間のことと言われてきました。
朝を迎えるということを、十月十日を経て新しく産まれなおすことと同じだと考えると、不思議な感じがしてきませんか。
実際には、朝という漢字の語源は別にあると言われ、十月十日とは無関係だと言われています。
しかし、眠りという言葉は死を連想させることも多く、死ぬことは永眠すると表されますね。
神話や文学の中にも、「眠りは小さな死、目覚めは小さな誕生」と表現されることがあるように、象徴的な意味を含んでいるように思えます。
眠ることは古い過去の自分の死であり、目を覚ますことは新しい自分の誕生であり、眠りと目覚めは死と生に似たサイクルであるとも考えられています。
次に、肉体レベルでも考えてみます。
私達の肉体も日々変化しており、昨日までと同じ自分の肉体は存在していません。
肉体とは小さな細胞の集まりなわけですが、多くの細胞は短期間で死を迎えています。
細胞の種類によって寿命は異なりますが、胃や腸の表面の細胞は1日~数日程度で寿命を迎え、脳は毎日10万個の細胞が死んでいると言われています。
今のあなたの肉体を細胞という小さな世界で見れば、日々多くの死と誕生の入れ替わり劇が繰り広げられているのです。
昨日のあなたと今日のあなたは同じ身体を持っているように思えますが、実は昨日と全く同じあなたの肉体は存在しないことになります。
しかし、私達の精神レベルでの生き方はどうでしょうか?
私達は、過去の経験や情報によって今の自分を作り上げているため、過去に囚われ縛られながら生きています。
自分とはこういう人間だと決めつけ、その理由を過去の経験のせいにしてみたり、今がうまくいっていないことの理由を、過去の自分や人のせいにしてしまったりします。
その在り方は、過去から積み重ねた同じ自分を生きることに固執しているかのようにも見えます。
いくら過去に原因や責任を追求しようとしてみても、そうすることによって今の自分を慰めようとしているだけで、過去や今が変わるわけではありません。
今を過去に結びつけて悩んでいると、前進するために行動することをしなくて済み、一歩を踏み出す恐怖を感じずにいられるため、楽でもあります。
そのように、過去が今や未来を決定づけると考えると、この今という瞬間や未来に起こることを、全て過去のせいにして片付けてしまうようになります。
そのようなことを繰り返している限り、昨日までの過去の自分を生きることになるため、新たな一歩を踏み出すことが難しくなってしまうかもしれませんね。
過去の自分とお別れしよう
新しい自分で生きていくために必要なことは、自分を制限するような過去は存在しないということを認め、過去のせいにせずに生きるという姿勢をもつことだと言えます。
まさしく、過去との決別です。
その具体的な方法は人によって様々ですが、簡単に出来ることとしては、「今の私がしてみたいと思う事、今の私にできる事は何か」ということを自問自答して行動していく方法があげられます。
したい事や出来る事は、どんな小さなことでもかまいません。
ここでも、お金がないから出来ないとか、能力がないから出来ないと何かのせいにするのではなく、今の自分が可能なことに目を向けていく必要があります。
自分の行動を選択できるのは今の自分だけなので、過去の自分の行動をあれこれ評価するのではなく、今どう考えたり行動するのがベストかに注目するようにしましょう。
もう一つ簡単な方法としては、イメージを使って夜眠る前に行う方法もあります。
明日の朝、新しく生まれ変わって目覚める自分に出会うために、今までの自分に労いや感謝を伝えた上で、イメージ上で告別式やお葬式のようなセレモニーを行うというものです。
セレモニーの方法は人それぞれですので、自分が好きな手順や方法でかまいません。
例えばですが、自分自身に別れの言葉を告げ、綺麗な花々で囲まれた棺に入り、その棺ごと綺麗な光の粒になって消えていくというようなイメージをしてから眠りにつく人もいます。
そして、朝目が覚めたときには、自分に「誕生おめでとう」と言ってみるのも良いでしょう。
興味がある方は、ぜひお試してみて下さい。