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ピロリ菌について

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ピロリ菌について

ピロリ菌について

2024/04/01

皆さん、今まで胃の不調を感じたことはありますか?

多くの方が「胃のもたれ」「胸焼け」「胃の痛み」など、何らかの不調を感じたことがあるかと思います。

胃の不調は、様々な原因によって引き起こされるのですが、今回は胃の不調だけではなく「胃がん」の原因にもなるピロリ菌についてお話させてください。

胃の働き

胃は摂取した食べ物をある時間その中にとどめ、胃液や消化酵素を含む消化液と混ぜて殺菌し、どろどろの状態にしてから少しずつ十二指腸に送り出します。

アルコールは胃で吸収されます。精神的なストレスや物理的なストレスによって、
この正常な働きのバランスが崩れ、胃の不調が引き起こされます。

胃が不調になる原因

胃の不調を引き起こす原因には、ストレス・暴飲暴食・喫煙など様々なものがありますが、ピロリ菌感染によっても引き起こされます。
 

ピロリ菌は、感染すると胃炎を引き起こします。除菌しない限り胃の中に住み続けるので、胃炎は慢性化して胃粘膜の防御機能を低下させ、胃潰瘍や胃がんの原因になります。

胃がんについて

がんは日本人の死因の1位です。2人に1人は、がんになると言われていますが、その中でも胃がんは日本人のがんの部位別死亡数第3位で、男性だけで言うと第2位です。

特に50代以上で多く、男性は女性の2倍以上多いと言われています。

胃がんは胃の内側の粘膜に発生し、胃壁の外側へ向かって進行していきます。初期の場合は自覚症状がないことがほとんどです。

代表的な症状は、胃の痛み・不快感・食欲不振・黒色便などですが、進行しても症状がない場合もあり、健康診断で胃カメラを受けた際に発見されることも多くあります。

胃がんで亡くなる人は減っている?

健康診断やがん検診により、早期の胃癌が多く見つかるようになり、治療も発達したことで、死亡率は減少しています。しかし癌の中での罹患数をみれば、依然として男性は 3位、女性5 位と多い状況です。

つまり、癌になる人は多いけど完治する人も多いので、死亡する人は増加していない、ということになります。

ピロリ菌とは?

胃がんの99.5%はピロリ菌が原因!

ピロリ菌は胃の粘膜に生息している細菌で、感染すると慢性的な胃炎を引き起こし、様々な胃の不調の原因となります。そして、もっとも重要なのは胃がんの原因であるということです。なんと胃がんの99.5%はピロリ菌感染によるものと言われています。

逆に、ピロリ菌を除菌することで胃がんの発生を防ぐことができるんです。

ピロリ菌感染者はどれぐらいいるの?

日本全体のピロリ菌の感染者数は、約3500万人と言われています。感染率は10〜20歳で10%程度、50歳以降で40〜60%です。

ピロリ菌に感染するのは胃の発達が未熟な5歳頃までと言われています。それ以降は子供の胃酸分泌も大人並みになるため、感染は起こりにくいと考えられています。

ピロリ菌に感染しているご両親が、離乳食を咀嚼して乳児に与えていたことが感染の原因とされていましたが、そのような習慣のない若い世代の感染はかなり減少しています。

ピロリ菌感染の自覚症状は?

ピロリ菌に感染しても症状は特にありませんが、ピロリ菌感染が原因で起こる慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍などによって、胃もたれや胸焼け、腹部膨満感、食欲不振などの症状が現れることがあります。慢性胃炎を起こしていても症状がなく、健康診断や人間ドックでの検査で胃炎を指摘される方も多くおられます。

 

つまり、ピロリ菌が胃がんの原因になるような重要なものであるにも関わらず、感染していても気づかないことが多くあるのです。。。

ピロリ菌の除菌治療

ピロリ菌に感染している場合は、内服薬での除菌治療を受けることができます。

ピロリ菌検査

01.

まずは、ピロリ菌が胃の中にいるか判定するための検査をします。

除菌治療

02.

ピロリ菌検査で陽性であれば、除菌のための内服薬を処方し、除菌薬は7日間続けて服用します。

※ペニシリン系の抗菌薬にアレルギーのある方は、処方できない場合があります。

除菌判定検査

03.

除菌薬の服用終了後、8週間程度経過してから尿素呼気試験で除菌判定をします。

ピロリ菌の検査には胃カメラ、採血、採尿、糞便検査、胃カメラなどがありますが、当院では採血と尿素呼気検査をお受けいただけます。

ピロリ菌検査と治療は保険で受けられる?

実はちょっと条件があります

以前は、胃・十二指腸潰瘍のある方だけが保険適応でピロリ菌の治療を受けることができましたが、2013年から慢性胃炎の方にも保険が適応されることにました。

ただし、慢性胃炎を胃カメラで診断されていなければ、自費での検査・治療になります。

ピロリ菌を除菌したら胃がんにはならない?

ピロリ菌を除菌することで胃がんの発生の危険性は低下しますが、ゼロにはなりません。

除菌前の胃炎の状態が悪ければ、除菌後も胃がんのリスクは高く残ります。また、わずかですがピロリ菌が原因でない胃がん(スキルス胃がん)もありますので、除菌後も1年に1回は胃カメラを受け、胃がんがないか確認しましょう。

「ピロリ菌ゼロ」に向けた取り組み

最近では、ピロリ菌検査を受ける際に、自治体や健康保険組合から検査費用の補助が出ることがあり、その場合は1,500円前後で検査を受けることができます。

また、中学生に無料でスクリーニング検査を行っている自治体もあります。

ピロリ菌を早期に除菌しておくことで、胃がんのリスクが低くなることは明白ですので、このような補助や制度を上手に活用しましょう!

 

まずはご相談ください

検査の費用や、ご自身が保険適応or自費診療かなど、まずはご相談ください。

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※胃カメラの診断結果が記載された健康診断の結果をお持ちの方は、ご持参ください。

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