ストレスは自分で作り出している
2023/07/06
ストレスとは、出来事や情報が実際に目の前で繰り広げられている間だけ感じるものではありません。
というのも、人の脳は今という現実と、空想や想像、過去の情報や将来の予想などを思い浮かべた際に、それらを上手く区別できないからです。
もちろん意識の上では、現実と想像、今ここにはない過ぎ去った過去、まだ来てもいない未来の区別は出来ているはずです。
しかし、いくら意識では分かっていても、脳は想像や記憶を掘り起こしただけで、まるでそれらを追体験しているかのように、身体に信号を送ってしまうことがあるのです。
つまり、実際に今目の前で起こっていない事でも、あなたが考えただけで、心と身体はストレスを感じているということになります。
脳は想像を現実と思い込む
梅干しやレモンの酸っぱさを想像しただけで、唾液が出てくることはありませんか?
好きな人を思い浮かべて、ドキドキしたり幸せな気分になることはないでしょうか?
スポーツ選手が普段からイメージトレーニングをして、パフォーマンスを高めているの見聞きしたことは?
私たち人間は、実際に目の前で起こっていない出来事にも、想像しただけで身体が反応するような仕組みになっています。
脳はまだまだ解明されていないことも多く、万能なものと思われがちですが、意外にめんどくさがり屋で、大雑把なのも特徴なのです。
自分の行動を振り返ろう
それでは、あなたの日々の頭の中でおきていることを振り返ってみましょう。
いかがでしょうか。
あなたも過去の記憶や起こっていない想像上のイメージ世界の住人となっていなかったでしょうか?
もしも日常的にこれらのことを頭の中で行っているのだとしたら、あなたは自分の心身に、自分自身で大きなストレスをかけていることになります。
ストレスを出している自分に気付いたら
このような状況に苦しむ人の多くは、思い出さないように、考えないように、想像しないように努力しようとします。
しますが、多くの場合は失敗します。
何故なら、思考や想像は自動で湧いてしまうものだからです。
考えないようにしても、気付けば考えてしまう自分に気付いて、余計に苦しくなります。
大切なことは思い出さないように、考えないように、想像しないようにすることではありません。
それらの記憶・思考・想像に巻き込まれてしまわないようにすることです。
巻き込まれてしまえば、その世界に没頭してしまいます。
距離をとって、なるべく客観的に見てみるように意識します。
例えば、自分の頭に浮かんだものを少しふざけて実況中継してみるような感じです。
あるいは、ドラマや劇のようなものと考えてみるのも良いでしょう。
脳内ストレス劇場です。
「さぁ、どんな演目が始まるのかな」と観客席から眺めてみましょう。
その劇場で上演されているモノは、あなたが描き出した設定の中で、役者として迫真の演技をしているだけです。
あなたは、その劇の中に飛び込んで役を奪ってなり替わることはしません。
慣れない間は大変かもしれませんが、試しに1分だけやってみる。
慣れたら2分間やってみる、でもかまいません。
思考をコントロールすることは出来ませんが、どのようなスタンスでその思考と関わるのかは自分で選択することが出来ます。
ぜひお試しあれ!