【糖質2】食事のタイミングによるメリット・デメリット
2024/09/19
管理栄養士の豆知識
糖質は主に血糖値をすばやく上げる「単純糖質」とゆっくり上げる「複合糖質」に分かれ、お菓子には単純糖質が多く含まれています。
●単純糖質
ブドウ糖や砂糖のような単純糖質はすばやく吸収され、食後に急激に血糖値を上昇させます。
代表食材例:お菓子やジュース類など
●複合糖質
でんぷんが代表的です。ゆっくりと消化吸収され、血糖値は比較的緩やかに上昇します。
代表食材例:ごはんやパン、麺類、イモ類など
ごはんは、ゆっくりと消化吸収され、食後の満腹感が持続します。間食はお菓子やジュースではなく、おにぎりやサンドイッチにしてみましょう。
血糖値とは血液中のブドウ糖の値のことです。炭水化物などが消化吸収されてブドウ糖に変わり、血液中に入ります。血糖値は健康な人でも食後で変化します。
通常、食前は70~80mg/dl、
食後は120~150mg/dlです。
血糖値の推移
血糖が上昇すると膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンは血糖値を下げる働きをします。
《毎日定刻に食事を摂る重要性》
決まった時間に食事を摂ることで血糖値の変動がほぼ一定になります。
食事時間は末梢臓器の体内時計に影響することが、マウスの実験で広く知られています。
また、間隔が空きすぎて極端な空腹状態になると、つい食べ過ぎてしまうと血糖値の急上昇に繋がります。食事と食事の間隔は5~6時間が理想的です。
《朝食の重要性》
朝食を欠食すると、昼食時夕食時の血糖値の変動が大きくなります。高血糖が続くと血糖値を下げようと働くホルモン:インスリンの働きが悪くなり、糖尿病の発症リスクが高まります。また、血糖値の急な上昇は血管への負担が大きくなり、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの循環器疾患を発症しやすくなります。朝食を食べる習慣をつけましょう。
《軽食で摂る間食や補食の重要性》
糖質量の低い間食や食事間の間食は、
血糖値の乱高下を防ぐ働きがあります。
空腹を感じた時は10時or15時に200kcal程度の間食を摂りましょう。
《夕食を21時までに済ます重要性》
夜遅い食事は、睡眠まで時間が空きにくくエネルギー代謝に使われにくいため、高血糖が続きやすく肥満の要因になります。また、体内時計を夜型化し、不眠を招き糖尿病を悪化させます。できるだけ21時以降の食事は避け、21時以降になる場合は炭水化物の摂取を控えましょう。
《糖質は食べる種類や量を意識する》
糖質過多は肥満や生活習慣病に繋がります。
ブドウ糖
過剰にとったブドウ糖は脂肪細胞に運ばれ体脂肪として蓄えられるため肥満の原因になる。
果糖(主に果物に含まれる糖)
肝臓で中性脂肪に合成され高中性脂肪血症となり肥満をきたす恐れがある。
ショ糖(主に砂糖)
歯を溶かす有機酸の産生により虫歯の原因になる。
《糖質はビタミンB1と一緒に摂る》
糖質は身体や脳のエネルギーになるためとても重要な栄養素ですが、適度な量とバランスが大切です。糖質の代謝に関わるビタミンB1と一緒に摂ることがおすすめです。
例えば、主食の選択では白米よりは玄米、全粒粉パンやライ麦パン、雑穀を多く含んだパンなどを選ぶことにより、ビタミンB1も同時に摂ることができ効率的です。
また、食後の血糖上昇を抑制する手段として食べる順番もとても重要です。食事の最初に食物繊維を多く含む食材を食べることで、食後血糖値の急な上昇を抑えることができます。
《まとめ》
①朝食を摂る
②毎日決まった時間に食事を摂る
③21時までに夕食を摂る
④糖質とビタミンB1を一緒に摂る
⑤野菜(食物繊維を多く含む食品)から摂る